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第29回バゾプレシン研究会を終えて

 第29回バゾプレシン研究会は、例年通りの日程で年明け間も無くの平成31年1月12日(土)に、慶應義塾大学病院の会議室にて開催されました。ここにご報告を申し上げます。

 当日は小雪が舞う中でしたが、多くの参加者にお越しいただき、外の寒さとは対照的に、例年に劣らず熱気ある会となりました。一般演題では、基礎系と臨床系を合わせて計10題が発表されました。バゾプレシン及び関連ペプチドはヒトから魚類まで脊椎動物に広く保存されています。そのため、異なる分野からの研究者が、多角的に話題提供と質疑応答を行える貴重な機会となりました。最優秀発表賞は、富山大学大学院理工学研究部の市川陽菜さん、名古屋大学大学院医学系研究科の宮田崇さんが受賞されました。おめでとうございました。


 ショートレクチャーでは、東京医科歯科大学医学部の安藤史顕先生より、バゾプレシンが本来用いる情報伝達経路を巧みに補う新しい尿濃縮効果を持つ創薬研究をご発表いただきました。特別講演では、自然科学研究機構 基礎生物学研究所 総合神経生物学研究部門 教授の野田昌晴先生より、脳内でNa+の感受性を司る分子機構について、論文にご発表されたばかりのホットな内容を拝聴することができました。素晴らしいご発表に続く質疑応答も一つ一つが非常に勉強になり、また今後に大きな期待が寄せられる充実した内容でした。塩分感受性の高血圧症に対する新たな治療法の可能性をご教示くださり、これからの大きなご発展が期待されます。


 今回初めて会の世話人の努めさせていただきましたが、何分不慣れな面もあり、皆様にご迷惑をおかけした点もあるかと存じます。ここにお詫び申し上げますとともに、各方面でご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。次回の研究会は、2020年1月11日(土)に開催の予定です。また次回の会場は、これまで長らくお世話になりました慶應義塾大学病院から変更となる予定です。改めてご連絡させていただきますが、また来年の早春に皆様とお目にかかれますことを楽しみにしつつ、ご報告とさせていただきます。

第29回バゾプレシン研究会当番世話人 
自治医科大学医学部薬理学講座 分子薬理学部門 輿水崇鏡