海外研究室便り No.11
2011年4月から英国スコットランドにあるダンディー大学に留学しております。MRC Phosphorylation UnitのDario Alessi教授の研究室に所属しており、彼がこのUnitのDirectorです。
当Unitには、他にも13人のPrincipal Investigator(PI)による研究グループがあります。Dario Alessi教授はまだ40代のエネルギッシュな聡明な研究者で、Post Doc11名、PhD student 9名からなる大所帯な研究室です。研究室の雰囲気は明るく協力的であり、教授は多忙で不在なこともありますが、officeのドアがいつも開けており、いつでもデータを持ち寄って相談できる環境です。
MRC Phosphorylation Unitはその名の通り、細胞内制御や疾患に関わる蛋白リン酸化のシグナルの解析に特化した研究室であり、その意味でも世界的にも珍しいUnitであると思います。当研究室では主に、パーキンソン病の原因遺伝子Parkinのリン酸化シグナル経路の解析、腫瘍増殖に関与するmTOR pathwayでの阻害剤の研究、私が関わっている遺伝性高血圧疾患であるWNKシグナルpathwayとその下流の膜輸送体NCC/NKCC/KCCの解析等などを行っています。当施設の特徴として製薬会社との共同研究も多く、種々のシグナル経路の阻害剤のスクリーニングによる創薬もターゲットにしており、共同研究も積極的に行われております。
ダンディー市はスコットランド中東部にある都市で、首都エディンバラから車で1時間程度の距離に位置し、治安も良い都市です。近くにはゴルフ発祥の地として有名なセントアンドリューズが車で30分ほどの所にあり、ゴルフ好きには絶好のロケーションであると思われます。スコットランドは緯度が高く、ダンディー市は樺太の最北端より更に北に位置し、夏と冬の日照時間の差が激しいですが、メキシコ海流の影響で冬の寒さもそれほど厳しくなく、生活しやすい場所です。
(写真は2011年のクリスマス食事会のもので、長身のDario Alessi教授は左から3番目で、筆者は一番左です)
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