第30回バゾプレシン研究会を終えて
第30回バゾプレシン研究会は、
年明けすぐの令和2年1月11日(土)に、東京大学 弥生講堂 一条ホールにて開催されましたので、ご報告を申し上げます。
当日は凍えるような寒さの中にもかかわらず、多くの参加者にお越しいただくことができ、一般演題では計13題が発表されました。内容もバゾプレシンの基礎から臨床まで、また対象も魚類からヒトにいたるまで幅広いものであり、知的探究心を深く刺激される演題が続き、質疑応答も相次いで時間が足りなくなるような状況でありました。そのような質の高い発表がそろう中、研究奨励賞は、国立成育医療研究センター研究所 分子内分泌研究部 宮戸真美さん、東京医科歯科大学 腎臓内科 古荘泰佑さんが受賞されました。おめでとうございました。
ミニレクチャーでは、シンカポールのDuke-NUS Medical Schoolから北田研人先生をお招きし、生物が海を出て陸地で生活することを可能にした「水保持機能」を軸とした高血圧や腎障害の新しい捉え方についてご発表いただきました。非常に斬新な考え方を基にしており、新しい概念を打ち立てようとするご発表でありました。また、特別講演では東京大学 大学院薬学系研究科 細胞情報学 一條秀憲教授から、長年の研究テーマでいらっしゃる細胞内外の浸透圧差によって細胞が受けるストレスシグナルについてご発表していただきました。新しい「液-液相分離」現象からいかにストレスシグナルへと変換するかを見事に解明された最新のデータを拝聴することができました。
今回は例年の慶應義塾大学病院が使用できなくなり、はじめて東京大学 弥生講堂での開催となりました。発表システムも自ら運営することになり、スライド準備などの方法も直前に変更になるなど皆様にご迷惑をおかけいたしましたが、滞りなく研究会を終えることができました。様々にご協力いただいた皆様には心より感謝申し上げますとともに、皆様の益々のご活躍を祈念いたします。 |