第31回バゾプレシン研究会を終えて
昨年は、Covid-19の感染拡大防止対策として中止しました。第31回バゾプレシン研究会は2022年1月8日(土)に2年ぶりに代表世話人の名古屋大学糖尿病・内分泌学の有馬先生と教室の皆様のご尽力によりWEB開催しました。
発表内容は、バゾプレシン、オキシトシンに関わる基礎から臨床まで多岐にわたり、受容体蛋白質の分子相互作用、ペプチドホルモンのプロセッシング機構、サメ類産卵機構、行動制御機構、体液保持機構、利尿作用、ウロモジュリン分泌制御と非常に幅広い話題について行われました。一般演題は11題ありました。今年は基礎系の演題について英語のセッションを設けました。質疑応答も含め、盛り上がったと存じます。
研究発表はいずれも非常に質の高いものでしたが、研究奨励賞は岡山大学理学部付属臨海実験所の大坪秋人さん、東京医科歯科大学の七松東さんが受賞されました。おめでとうございます。益々ご研究が発展することを祈念します。
ミニレクチャーには大阪市立大学代謝内分泌病態内科学の藏城雅文先生をお招きしました。実臨床に即した低ナトリウム血症診療について症例をもとに分かり易く具体的に病態生理の含めて丁寧に解説いただきました。また、特別講演では浜松医科大学精神医学講座の山末英典先生にオキシトシン経鼻剤による自閉スペクトラム症に対する治療効果について長年の研究成果をお話しいただきました。オキシトシンを一つのモデルとして脳画像指標といった中間表現型を新規治療薬開発における効果判定指標として用いる戦略(Endophenotype-associated surrogate endpoint (EASE))の有用性について、最新のデータを含めご発表頂きました。
今年は初めてのWEB開催となりました。演者の先生方には録画と大容量ファイルの送付と大変なお手数をおかけしました。また、WEB配信は全て名古屋大学糖尿病・内分泌学の教室の皆様方のご尽力によるものです。心より感謝申し上げます。
本研究会の名称はその内容に合わせ「バソプレシン・オキシトシン研究会」となります。
来年、新しい名称の研究会でお会いできることを楽しみにしております。
最後に、今年一年の皆様方の益々のご発展を祈念申し上げます。 |