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海外研究室便り No.9

 2010年4月より、アメリカ合衆国ボストンにあるMassachusetts General HospitalのDennis Brown教授の研究室に留学しております。詳細な部署名はHarvard Medical School, Massachusetts General Hospitalに付属する、Center for Systems Biologyという研究部署集団のProgram in Membrane Biology, PMBのNephrology Divisionとなります。自己紹介の際は“PMBの誰それです。”と言うのが一般的です。Nephrology Divisionだけで12名のFaculty、15名程度のポスドク、10数名のテクニカルスタッフが在籍しており、研究室としてはかなり大きな印象を受けます。

 イングランド出身のBrown教授をはじめ、アメリカ以外の出身者も多く、多い順に中国、カナダ、フランス、イタリア、ロシア、香港、日本、オランダ、ルーマニアと多彩な出身地構成となっております。日本人は私以外にも1名のポスドクが居ます。渡米時期も多彩で、僕のように母国で博士号を取得してからの者、大学或いは大学院からアメリカで教育を受けた者、様々です。アメリカ出身の研究者においても学んだ大学、大学院は千差万別で流動的な人の流れを実感します。

 PMB内には、研究テーマグループ別に私の属するアクアポリン2をテーマとするグループ、生殖器アクアポリンをテーマとするグループ、鉄代謝をテーマとするグループ、V-ATPaseをテーマとするグループがあります。

 主に基本的な分子生物学的手法を用いてAQP2の細胞内輸送機構における新発見を目指して、日々奮闘しております。必ずしも包括的な細胞内輸送機構に被支配であるAQP2だけでなく、AQP2自らの分子制御という観点から、この領域はこれからが面白いと期待しています。“水チャネルの根源的な存在理由は意外なところにある。”そんな時代が幕を開けつつある気がします。アクチン重合アッセイ、細胞内カルシウム濃度の測定など新しい解析も体得させてもらい、研究技術の裾野も広がっている実感があります。

 最後になりましたが、バゾプレシン研究会では2009 年に発表の機会を頂き、貴重な修練の場とすることが出来ました。この場を借りて御礼申し上げます。

(渡米してしばらくの頃の写真。
場所はPMBのランチルーム。カンファランスもここでやります。
左から2番目がBrown教授。右から2番目が筆者。)


油井直史 東京医科歯科大学腎臓内科学