第33回バソプレシン・オキシトシン研究会を終えて
第33回バソプレシン・オキシトシン研究会は、例年通り、年明けすぐの令和6年1月6日(土)に、東京大学弥生講堂の一条ホールにて開催されました。ここにご報告申し上げます。
まず、このたびの石川県能登地方を震源とする大規模な地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に心からお見舞い申し上げます。また、被災地域の救援にご尽力されている方々に深く敬意を表します。
本年は年始より慌ただしく様々なことが起き、一方ならぬ状況の中、多くの参加者にお越しいただき何とか開催できました。
一般演題では、魚類や実験動物、ヒトを対象として分子生物学的な解析から構造解析まで多角的に計11演題が発表され、幅広い質疑応答が行われる貴重な機会となりました。優れた研究発表を表彰する研究奨励賞は、東京大学大学院理学系研究科の福永彩美先生、東京医科歯科大学腎臓内科の柳川英輝先生が受賞されました。加えて、今年度新設されました、優れた英語発表を表彰するBest English Presentation賞は東京医科歯科大学腎臓内科・菊池 寛昭先生が受賞されました。おめでとうございました。一方、優れた症例発表を表彰する優秀症例発表賞については、残念ながら該当演題の応募が無かったため、本年は受賞無しとなっております。症例発表についても来年以降の積極的な応募を期待いたします。
特別講演は、東北医科薬科大学医学部リハビリテーション学の伊藤修先生、大塚製薬株式会社医薬品事業部の山村由孝先生の2名をお招きしました。伊藤先生には、バソプレシンの尿細管に対する生理作用や腎の各種病態との関連についてお話いただきました。山村先生には、バソプレシン受容体拮抗薬について自身の約40年におよぶ創薬研究を振り返っていただきました。バソプレシン関する別々の視点からの歴史を振り返ることができ、多くの示唆をいただけましたので、これからの研究に活かしていきたいと考えております。
今回、初めて当番世話人をお引き受けし、不安や準備で難儀する開催ではありましたが、名古屋大学の皆様のご支援もあり、滞りなく研究会を終えることができましたこと、感謝申し上げます。
次回の研究会は、2025年1月11日(土)に開催の予定です。また来年の早春に一条ホールにて皆様にお目にかかれますことを楽しみにしつつ、ご報告とさせていただきます。
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